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腹八分目

ボーイズラブ(BL)作家・久我有加のブログです。

元気です

一ヵ月以上更新せずにすみません…。
私は元気です。

更新が停滞していた間に拍手や拍手コメントをくださった方、ありがとうございました。あたたかいお言葉に、本当に励まされました。
のんびりすぎる更新頻度で申し訳ないのですが、お時間のあるときにでも覗いてやってくださいませ。

皆さん、どうかくれぐれもご自愛ください。











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『愛だ恋だと騒ぐなよ』電子版発売

『愛だ恋だと騒ぐなよ』(新書館ディアプラス文庫)の電子版が、2月20日に配信予定です。電子書籍派の方、どうぞよろしくお願いいたします。


拍手や拍手コメントをくださった方、ありがとうございました。とても嬉しかったです!
相変わらずのまったり更新ですが、お時間のあるときにでも覗いてやってください。











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番外編更新しました

『愛だ恋だと騒ぐなよ』の番外編を更新しました。
お楽しみいただけたら幸いです。

まだ昨年のあの大会の衝撃を引きずっております…。
芸人シリーズの作中では、できるだけ漫才語りを抑えているのですが(あれでも抑えているのです…)、今、何かの拍子に話し出そうものなら延々と語ってしまうこと間違いなしです。自分の中できちんと思考を整理して落ち着いてから、いつか作品に活かしたいと思います。

拍手や拍手コメントをくださった方、ありがとうございました。とても嬉しかったです。励みになりました!
またお時間のあるときにでも、ぜひお越しくださいませ。










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全漫決勝5日前          (『愛だ恋だと騒ぐなよ』番外)

拙著『愛だ恋だと騒ぐなよ』の番外編です。
佑も町も出てきますが、本編にちらっとだけ出てきた後輩の漫才コンビ、「かみしもジャンパー」の桑野視点です。
それでもいいよ、という方はどうぞ。





「じゃあとりあえず決勝進出おめでとう。かんぱーい」
 事務所の先輩、町央太のテンション低めの物言いに、桑野はかんぱーいと応じた。
 居酒屋の個室にいるのは町と桑野、そして相方の梅本と先輩の堂松祐だ。
 隣に座った梅本は一応ビールをあおったものの、情けない顔をする。
「とりあえずって何なんすか。もうちょっと気合入れて祝ってくださいよ。初めて決勝に残れたんすから」
「でも決勝に残っただけで優勝したわけじゃないだろ」
「それはそうですけど……。優勝とかハードル高すぎっす……」
 なあ、と梅本に同意を求められ、まあな、と苦笑まじりに頷く。
 すると今度は、町の隣にいた堂松祐が首を傾げた。
「なんや、優勝する気ないんか?」
「もちろんできるもんならしたいです。けど今年はバターチョコが本命って言われてますし、あやとりも久々に決勝に残った女性コンビってことで話題だし、かさまし兄弟とかぶるぶるとか結成して日が浅い若手も多いし……」
 相方の声のトーンが次第に落ちてゆく。
 桑野と梅本のコンビ「かみしもジャンパー」が、話題的に埋もれているのは確かだ。
 今日は全国漫才コンテスト、通称「全漫」の決勝五日前。壮行会と称して町と堂松に飲みに誘ってもらったのでご馳走になることにした。
 工夫して努力して稽古して、やっとの思いで決勝に残ったというのに注目されない不安。あまり期待されていないにもかかわらず、そこそこ知名度があるせいで「おもしろくて当たり前」とみなされているプレッシャー。そうした諸々を紛らわせたいと思っていたところだったから、信頼できる先輩の誘いはありがたかった。
「注目されてようが話題になろうが、本番で一番笑いをとれたもんが勝つ。賞レースてそういうもんやろ」
 堂松の物言いは素っ気なかったが、周囲の無責任な声など気にするな、という彼なりの励ましが伝わってきた。
 じんわりと温かな気持ちになりつつ、梅本と共にはいと素直に頷く。
 二年前に大阪から東京へ進出してきた堂松は、歯に衣着せぬ物言いと勢いのある関西弁のせいで強引な印象を持たれがちだ。しかし実は細かい気配りができるし、思いやりもある。
 そうじゃなきゃ、東京のキー局で大勢を仕切るMCなんかできないよな。
 今日も飲みに誘うにあたって、雑音入れんと集中したい思てるんやったら遠慮せんと断ってくれ、俺らも大事な時期に邪魔したないし、と真面目に言ってくれた。
「でも、話題になっとくと優勝できなくても後で仕事につながったりするからなあ」
 しれっと言ってのけた町に、桑野は相方と共にぐっと言葉につまった。
 芸人の世界だけでなく、小説や音楽、演技の分野でも華やかな活躍ぶりを見せている町は、基本明るくて穏やかだ。しかし時折こうして、本当のことを躊躇なく口にする。耳に痛いことを言われるので多少苦手意識があったものの、大勢の人に共感できる部分を作った方がいいという彼のアドバイスを素直に受け入れた今年の全漫では、なんと決勝に残れた。
 MCとか歌とか小説は一流かもしれないけど、漫才をやったこともないのに漫才の何がわかるんだ、と陰口を叩く者もいる。
 でも町さんの場合、岡目八目なんだよな。
 当事者だからこそわかることも確かにあるが、当事者ではないからこそわかることもある。
 そして何より、漫才と漫才師へのリスペクトが感じられる。
 その点は堂松も同じだ。ボケの数をもっと増やせ、畳みかけろ、という彼のアドバイスも大いに役に立った。
「とりあえずSNSはマメに更新しといた方がいいんじゃないか? 優勝した後で写真とか動画を使いたいって言われるかもしれないし」
 唐揚げを頬張りつつ言った町に、桑野は苦笑した。
「だからプレッシャーかけるのやめてくださいって」
「ほんとですよ。優勝優勝って、そんなの絶対無理に決まってるじゃないすか」
「桑野は絶対無理とは思てへんやろ」
 ふいに口を挟んだのは堂松だ。次の瞬間、一斉に視線が集まってくる。
 堂松さんには見抜かれてたか……。
 隣にいる梅本は細い目を真ん丸に見開いていた。
「桑野、おまえ、まさか本気で優勝しようと思ってんのか?」
「出るからには優勝狙うだろ」
「決勝に残るのも初めてなのに?」
「そんなの関係ないじゃん。実際、初めて決勝に残って優勝したコンビもいるし」
「そうだけど、俺らには無理だって。だいたい、いきなり優勝するコンビなんか滅多にいないだろ」
「いないから価値があんじゃねぇか」
「それはそうだけどさー……」
 くく、と笑ったのはやりとりを聞いていた堂松だ。
「梅本も自信がないわけやないんやろ」
「……まあ、今までで一番おもしろいネタができたとは思ってます」
「そしたら優勝云々は別にして堂々とやったらええ。どうせ俺らなんか、て思いながらやったら、おもろいネタもおもしろうなくなるぞ。せっかく決勝に残れて全国の人にネタ見てもらえるのに、そんなんもったいないやろ」
 はい、と梅本は神妙に返事をした。机の上に置いた拳に力が入っている。堂松さんの言う通りだ、と思ったようだ。
「祐はいいこと言うなあ。けど、バターチョコとかあやとりとも仲良いのに、かみしもジャンパーを励ましちゃっていいの?」
 悪戯な口調で言った町を、堂松はじろりとにらむ。
「誰と仲ええとか関係ない。俺は決勝に残った全部のコンビにベストな漫才やってほしいだけや」
 町は怯むことなくニコニコと笑う。
「祐、なんだかんだで漫才好きだよね」
「おまえも好きやろ。いっぺん漫才やってみたらええのに」
「祐が一緒にやってくれるんだったらやってもいいけど」
「お断りします。おまえ相方にしたら、いろいろめんどくさそうやし」
「えー、めんどくさいって何だよ。どういうとこがめんどくさいんだ」
「そういうとこがめんどくさい」
 互いに気心が知れているとわかるやりとりに、桑野は感心した。
 プライベートでもほんとに仲いいんだ……。
 振り返ってみれば、この四人で飲むのは初めてだ。普段はもう三人ほど加えて飲んでいるので、特に町と堂松の二人に注目したことはなかった。彼らがMCをしている番組の中でも阿吽の呼吸を感じることが度々あるが、プライベートでも変わらないらしい。
 普通の仕事仲間に比べると、より近い感じがするが、コンビとは違う。友達とも違う。
 なんかこう、もっとぴったりくる言葉がある気がするんだけど、それが何なのかわかんねえんだよな。
 ちらと梅本を見遣ると、彼も腑に落ちない顔をしていた。恐らく相方も、何なのかわかんねえ、と思っているのだろう。
 養成所で出会った梅本とコンビを組んで、約八年。その程度の思考は読めるようになった。しかしまだまだ阿吽の呼吸にはほど遠い。堂松と町がたった二年で以心伝心できるようになったのは驚異だと思う。
 まあ何にしても、町さんも堂松さんも尊敬できるいい先輩だ。
 二人と話したことで、胸にわだかまっていた不安は薄れていた。かわりにやる気が漲っている。
「決勝、楽しみにしてるからな。おもろい漫才見せてくれ」
 堂松に声をかけられ、はい! と応じた声が梅本と重なった。思わず相方を見遣ると、彼もこちらを向く。
 その瞳に不安ではなく確かな闘志が滲んでいて、桑野は思わず破顔した。
 俺らは俺らにしかできない、めちゃくちゃおもしろい漫才をやってやる。
 待ってろよ、全漫決勝!










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謹賀新年

あけましておめでとうございます。
2020年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

今年はデビューさせていただいて20年になります。
20年て…。自分でもびっくりです。
ここまで続けてこられたのは、応援してくださる皆様方のおかげです。本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
これからも初心を忘れずがんばりますので、よろしくお願いいたします。

年末年始に拍手や拍手コメントをくださった方、ありがとうございました! とても嬉しかったです。
1月10日頃に『愛だ恋だと騒ぐなよ』の番外編SSを更新する予定です。ご興味を持たれた方は覗いてやってくださいませ。










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