腹八分目

ボーイズラブ(BL)作家・久我有加のブログです。

すみません!

諸事情により、『初恋列車』の番外編SSの更新が遅れております。
たいへん申し訳ありませんが、もうしばらくお待ちくださいませ。

拍手や拍手コメントをくださった方、ありがとうございました! とても嬉しかったです。
かようにのろのろ更新のブログですが、もしよろしければまたお越しください。










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『初恋列車』特典情報

4月1日発売予定の『初恋列車』(角川ルビー文庫)の特典の情報が、ルビー文庫さんのツイッターに載っています。
もしよろしければチェックしてやってくださいませ。


拍手や拍手コメントをくださった方、ありがとうございました! とても嬉しかったです。
次は『初恋列車』のSSを更新する予定ですが、恐らく4月の半ばくらいになると思います…。
発売日頃に更新できず、申し訳ありません。
ご興味を持たれましたら、またぜひ覗いてやってくださいませ。











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今日の僕と君                  (『あの日の君と、今日の僕』番外)

拙著『あの日の君と、今日の僕』の番外編です。
このSSは渋川視点です。同じ内容の健吾視点のSSを、初回ご購入特典ペーパー用に書き下ろしました。健吾がこのSSの中で何を考えていたのか知りたいと思われた方は、特典ペーパーを読んでやってくださいませ。





 土手には春とは名ばかりの冷たい風が吹いていた。アスファルトの道も、遠くに見える橋も、頭上に広がる空も、そして土手の上で向かい合う二人の男子高校生も、全てが薄紫色に染められている。
 ああ、この夢見るん久しぶりや……。
 目の前で不審げに眉を寄せている男を見つめ、そんなことを思う。
 彼――築島健吾と恋人として付き合って約一年。再会するまではときどき見ていたが、最近はめっきり見なくなった。築島と恋人になり、幸せな記憶の方が多くなったせいかもしれない。
 高校生の渋川は、どうにかこうにか口を開いた。
 お、俺……、俺、築島が好きなんや。俺と、付き合うてください。
 掠れた声で告白し、勢いよく頭を下げる。
 この後、ごめんなさいと断られるのだ。その瞬間を想像しただけで、胸が捩れるように痛む。全身がぶるぶると震え出す。夢だとわかっていても、築島に拒絶されるのは辛い。
 しかし、今回の夢は今までとは違った。
 目の前に立っている築島は、声に出して明るく笑う。
 おまえが俺を好きなんはよう知ってる。だいたい、もう付き合うてるやろが。
 あきれたような、それでいて愛しさが滲む物言いに、渋川は恐る恐る顔を上げた。
 ニカ、と整った白い歯を見せて笑った築島は、大きく頷いてみせる。
 ちなみに俺も、おまえが好きやで。
 その言葉を聞いた途端、体が芯から燃えるように熱くなった。止める間もなく、ぶわ、と涙があふれる。
 つ、築島……!
 歓喜に突き動かされ、渋川は築島を抱きしめた。二度と離すまいと、両腕にぎゅうぎゅうと力を入れる。
 ありがとう、築島。俺も、好きや。大好きや、愛してる……!
 心の内に次から次へと湧き出てくる言葉を、そのまま口に出す。築島が背中に腕をまわしてしっかり抱きしめ返してくれたので、歓喜はいや増した。
 嬉しい、嬉しい、幸せや……!
 泣きながらそうつぶやいた次の瞬間、きつく抱きしめていた築島の体がふいにかき消えた。驚いて腕の中を見るが、築島はどこにもいない。
 築島、築島? どこ行ったんや。
 強烈な喪失感と不安感に襲われ、築島! と叫ぶように呼ぶ。
 刹那、肩に強い衝撃が走った。ふあ、と思わず声をあげてしまう。
「ん、あれ……? 築島、築島……?」
「なんや、ここにおる」
 素っ気ないながらも、どこか優しい物言いが腕の中から聞こえてきて、渋川は改めて腕の中に視線を向けた。先ほど消えたと思った築島が、確かにそこにいる。
「ああ、よかった……」
 全身の力が緩んだ。ほっと安堵のため息が漏れる。
 そうだ。昨夜、渋川のマンションで約一ヶ月ぶりにセックスをした後、一緒にシャワーを浴びて、そのままベッドに潜り込んだのだ。
 昨夜は久々に味わう築島の体に夢中になりすぎて、何度もしてしまった。明日が休みだったこともあるのだろう、築島が拒まずに受け入れてくれたのが何より嬉しかった。
「なんやねん、怖い夢でもみたんか?」
 尋ねてきた築島の声は、やはり甘くて優しかった。愛されていることが伝わってきて頬が緩むのを感じつつ、ううん、と首を横に振る。
「逆や。めちゃめちゃええ夢やった。高校のときの夢でな、俺が告白したら、築島、俺も好きやでって言うてくれてん。嬉しいてたまらんくて思い切り抱きしめたんやけど、急におらんようになって、びっくりして目ぇ覚め」
 た、という言葉を口に出す前に、思い切り抱きつかれた。昨夜、渋川が刻んだ赤が無数に残る剥き出しの上半身がぴたりと密着して、顔が熱くなる。思う存分築島と交わって満たされたはずの体も、じわりと温度を上げる。
「つ、築島?」
「よし、わかった。もういっぺんやろう」
「もういっぺんて何を?」
「セックス。ほれ、したるからパンツ脱げ」
 躊躇なく下着を引き下ろそうとしてくる築島の手に、渋川は焦った。もともと男前な性格の築島だが、時折こうして驚くほど大胆になる。嬉しいけれど、唐突な行動に戸惑ってしまう。
「え、うわ、ちょ、待って、なんで?」
「したいからに決まってるやろが。おまえはしたないか? したないんやったらやめるけど」
「し、したいです、めっちゃしたいけど、なんで急に?」
 既に体は熱くなっているのだ。したいに決まっているが、どこで恋人のスイッチが入ったのかわからなくて尋ねる。
 築島は先ほどみた夢と同じように、ニカ、と白い歯を見せて笑った。
「俺もおまえと同じ夢見た」
「え、そうなんか?」
「そうや。せやからもういっぺんやるぞ」
「原因と結果が結びついてへん気がする……」
「ひとつのベッドにほとんど裸で一緒に寝てるこの状況で、ごちゃごちゃ考えんな。するんか、せんのか、どっちや」
「す、する!」
 慌てて頷くと、築島は笑いながら口づけてきた。痛いような、それでいて熱いような愛しさが胸いっぱいに広がる。
 ああ、俺は健吾が好きや。世界で一番健吾がかわいい。
 それに、めちゃめちゃカッコエエ。










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新刊のお知らせ

4月1日に『初恋列車』(角川ルビー文庫)が発売予定です。
イラストは、麻々原絵里依先生です。

ルビー文庫さんでは確実に浮くであろう(…)、シンプルなタイトルからご想像いただけると思いますが、鉄道オタクが主人公です。とはいえ鉄成分は控えめですし、王子様的な攻も出てきます。
全編通してあまあまなストーリーになっていますので、どうぞお手にとってやってくださいませ。
よろしくお願いいたします。


拍手や拍手コメントをくださった方、ありがとうございます! とても励みになりました。
次回は3月10日頃に『あの日の君と、今日の僕』の番外編を更新する予定ですので、ご興味を持たれましたら、またぜひお越しください。











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『あの日の君と、今日の僕』特典情報

3月10日頃発売予定の『あの日の君と、今日の僕』(新書館ディアプラス文庫)の特典の情報が、
新書館さんのサイトに載っています。
もしよろしければチェックしてやってくださいませ。


拍手や拍手コメントをくださった方、ありがとうございました。とても嬉しかったです!
のんびりまったり更新ですが、またぜひお越しください。










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